舞台裏

短歌日記ホワイトデー短歌祭はもうちょっと参加募集してます。よろしかったら。あとで、感想など述べ合えたら面白いかな。
しかし、「短歌祭」という名はいまいちだったかも。「短歌日記-詠題:ホワイトデー」くらいが良かったかな。あるいは「短歌日記ホワイトデー歌合」とか。

それはともかく、今回の歌について。自分の製作過程を追ってみます。

  1. 君が目の瞳孔反射隠さずに見て確信する完結したよ
  2. 君が目の同行拡散隠さずに見て確信する確実な今日
  3. 完結を確信したよ君の目が隠さなかった瞳孔拡散
  4. 君の目が隠さぬ瞳孔拡散を確実に見て確信した今日

一種目の推敲ので落とした三首。
「瞳孔反射」っていうのは心理学では有名言葉。一首目をメモしたあと、部屋の掃除をしてたら、読まなかった以前の朝日新聞の書評を見つけて、穂村弘の「求愛瞳孔反射」ISBN:4104574015、あらあらかぶってると。しかし、瞳孔反射って拡散してる場合と収縮してる場合があって、人が異性のヌードを見たとき拡散するというのは有名な実験で、そこらへんの心理学的恋愛学の本でも好きな人を見るときは瞳孔が拡散すると書かれている。心理学辞典を調べると「瞳孔拡散」という単語もあったし、そっちを使おうと。
問題は、体言止めをするかしないか。という問題。僕の短歌はもしかしたら体言止めが多いのかも知れない。今回も推敲した結果は体言止めだし。ここはちょっと研究してみないと。
僕が今短歌で唯一扱える技法が音の使い方なのでk音を連発してみました。結果、漢語が多くて硬い印象になってしまったかな。

連作の二首の製作過程

  1. もしシラノがいれば言葉にもするけど言葉にせずにお返しだけを
  2. 自分にもシラノがいれば言葉にもするけどお返しだけを渡した

シラノっていうのはご存知の方も多いと思うけれども、「シラノ・ド・ベルジュラック」から。一首目は区切れが悪いし「言葉」を二回も使って勿体無い。ちょっと妄想激しい目の男子の心情を詠みたかった。

  1. お返しの真意を測る測定器どこかに売ってはございませんか
  2. お返しの真意を測る測定器ほんとに真剣欲しいんです無い?
  3. お返しがOKなのかNOなのか測定できる機械ないですか
  4. お返しの意味OKかNOなのか測定できる機械が欲しい
  5. お返しの意味OKかNOなのかハッキリわかる測定器無い?
  6. お返しの真意がわかる測定器どこかに売ってないものかしら

二首目、連作にするつもりはなくて最初にこれから作ったのだけれど、一首目だとお返しの贈り手なのか受け手なのかはっきりとしない。それで贈り手と受け手に分けて連作してみたということ。「測定器」という言葉に拘りたくって、四首目と五首目は外したのだけど、ちょっとしっくり来ない。三首目の「知りたい」という率直な感情表現も悪くないけど、もうちょっとヤキモキする感じが欲しかった。ので、「測定器無い?」とちょっとイラついたような終わり方をしてみたのだが、なんかそれだと切迫感みたいなものがあって、ちょっとそれもあれなので、殆ど一首目と同じ感じになりました。ひねりがないですな。