統計の本

しょーへー氏が、

のことを書かれていたので、心理学の腐った卵としてコメントを。Amazonの該当ページで書かれている書評にある程度賛同する。

  1. 数学的知識が記述されていないため,曖昧である.
  2. 本書のみで統計の勉強は十分と勘違いする人が多い
  3. 記述されている内容が古いので海外の標準と合わない
  4. その結果,発展的な統計の学習に際して,妨げになる.

という理由で勧められない.

この本は、ある意味で、

の前に読むための本で、その本を読んで実際推測統計を使うためには、絶対後者の本を読まねばならないと思っている。そうしないと、自分がどういう統計的操作をしているのか全く理解できないからだ。
しかも、扱っている検定が比率と平均値の差のみというわけなので些か範囲が狭い。
「記述されている内容が古いので海外の標準と合わない」とする海外の標準ってやつがどういうものか僕は知らない。院時代海外の文献を読んで、「わあ、この解析法はすごい」と思ったりしたが、そんなのを習得してたら統計の専門家にはなれるけど、心理の専門家ではなくなってしまうのではないかと心配した。
そう云う意味で、僕のお勧めの本は、

の二冊。SASという統計ソフトを使うことを前提としているけれども、結果の見方から論文への書き方、様々なQ&Aなど、とにかく実用的だ。僕自身、この本に助けられたことが多々あった。「本当にわかりやすい〜」を読んでからこれらの本を読まれるとよろしかろう。
しかし、心理学徒はそれだけでは絶対駄目!

は必読!
また、因子分析を使おうという人なら、

因子分析は、さすがにベクトルとか出てきて数学的に理解することは難しいので、これくらいが適当かと。
あと、ブルーバックスだけれど豊田秀樹大先生の本もいいかも、ブルーバックスなので簡単だしね。
とは云え、今ではウェブの情報だけで統計の勉強をするのは非常に簡単。基礎から応用まで非常に幅広く解説されているあまりか、フリーで使えるソフトウェアも山ほどある。最先端の分析をウェブ上でできたりして、高価なパッケージに頼る必要もないくらいだ。と、詳しい情報を知りたい人は云ってください。
いい時代になったものだ。って、何が云いたかったんだっけ。