三代目三遊亭圓歌「坊主の遊び」

これは以前に観た気がするなあ。上方落語会の面々は多少は知っているが、関東の方はまるでわからない。こんなレベルの人で名前を知らないなんて落語はお笑い界では肩身が狭いなあ。と、僕が知らないだけかも知れないが。
ネットで調べてみるといろいろ出てきた。リストアップしておこう。

1945年(昭和25年)二代目圓歌に入門し、歌治→二代歌奴を経て、1965年(昭和45年)に三代目圓歌を襲名。昔旧国鉄職員で「新大久保駅」の駅員だったとか、現在は日蓮宗のお坊さんであるとか、三代目林家三平のライバルだったとか。逸話はいろいろある。現在の落語の世界でも最長老に入るんじゃなかろうか。だって、米朝より入門が早いくらいだもの。関東の落語界は奥が深いね。
枕も饒舌でのっけから飛ばしてくれる。噺自体も笑いどころが多くて安心して聞けるので楽しい。噺は吉原に隠居した旦那が遊びに行ってお泊まりするという話。今の風俗で云うところのキャバクラとソープが一緒になってるようなものか。今の風俗は誰でも行こうと思ったら行けるのだけど、当時はどうだったんだろう。やっぱりお金持ちしか行けなかったのかな。あと、下げへ持って行くときの力業がすごいなあと思った。と、小学生の感想文みたいだ。
落語とは直接関係ないけど、中に出てくる言葉は結構勉強になる。


歳をとっても浮気は止まぬ 止まぬはずだよ先はねえ
って、都々逸なんだけど、わかったようなわからないような。

杯が口にくるのが本当の金持ち
貧乏人ってのはてめえのほうから行くそうで
と、なかなかナイスなツッコミ。お座敷ではそれでお金を持っている客かどうか見分けるってことらしい。

浅い川なら裾まで捲れ 深くなるほど帯を解く
と、これはお座敷での遊び。三味線の曲にこの歌詞をつけて、芸者が着物の裾を捲っていくという色っぽいもの。
落語を観てると、面白いだけではなくて、いろいろ勉強になるのだ。