桜は散っているところです

この歌は、2004-04-09-金短歌日記部の部活動で詠んだ、

  • 何処かわからないところに居ます今桜は散っているところです

に枡野氏が、


# mass-no 『この短歌、見逃していました。「かなしみ」ではないけれど、いいと思います。真ん中に1文字あきをいれたほうが親切ですが。「何処」「居ます」などの表記も検討してください。これでもOKですが、「何処」は「どこ」とも「いずこ」とも読みます。よかったら『枡野浩一のかんたん短歌blog』に投稿してくださいね。』
とコメントを寄せてくれたので改作してみた。しかし、これは枡野blog用に作った短歌では無いのに「見逃していました」なんて云われると、なんだか照れる。
で、推敲。

どこかわか
らないところに
います
いまさくらはちっ
ているところです

初句・二句・四句目が句またがりで、三句目が字足らずと云うかなり破調な歌なのだけれどどうなんだろう。
枡野氏は分かち書きを推奨しておらず、僕もその方が良いと思うので出来るだけそうしないようにしているのだけれど、場合によってはそうした方が理解しやすい場合もあり、判断に困るところ。しかし、指摘は尤もなのでそうすることに。

  • 何処かわからないところに居ます今桜は散っているところです

そして次の指摘「何処」と「居ます」について。「何処」は「いずこ」とも読めるし「居ます」は「おります」とも読める。そう読んでしまったら、

  • いずこかわからない ところにおります いまさくらは ちっているところです

と昔の人が旅行中に葉書を送るみたいな文章になってしまう。
尤も、この歌を作ったときはその旅行中に葉書を送るような気分で、本当に桜が散っている小高い岡から携帯メールで送信したのだけれど。
と、話題を戻して。漢字にするかかなにするかと云う問題。誤読の可能性が少なからずあると云うのはやっぱり不親切なので振り仮名を付けようとも思ったのだけれど、それもなにかあざといように思ったので、結局枡野氏の指摘に従う形になった。